市民の皆さまへ

体育協会の概要

設立趣意書(旧財団法人)

財団法人さいたま市体育協会の設立趣意書です。

1 設立の趣旨

現在、労働時間の短縮や学校週5日制の実施による自由時間の増大に伴い、この自由時間を有効に活用し、精神的に豊かな人生を送りたいと考える人々が年々増加しています。しかしながら、一方では、科学技術の高度化、情報化等の進展により、日常生活において体を動かす機会が減少し、体力や運動能力が低下したり、人とのつきあいが苦手であると感じる人が増えてきて精神的なストレスが増大するなどの問題が生じてきているのも事実です。

スポーツは、心身の健全な発達を促し、人間性を豊かにするとともに、健康で明るい文化生活を営む上で極めて重要な役割を果たしています。スポーツを通じて体を動かすことで、体力の向上や、精神的なストレスの発散、生活習慣病の予防など、心身の両面にわたる健康の保持増進が図られます。特に、高齢化の急激な進展や、生活が便利になること等による体を動かす機会の減少が問題となっている現在において、人々が生涯にわたりスポーツに親しむことができる豊かなスポーツライフを送ることは大きな意義があるものと思われます。

さいたま市は、Jリーグの浦和レッドダイヤモンズ、大宮アルディージャのホームタウンであり、サッカーをはじめとしたスポーツ少年団は、218団結成されており、団員数も9,410人と県内一を誇っています。また、市民のスポーツに対する関心も高く、市民体育大会やさいたまシティマラソンに毎年多くの方々が参加しています。平成15年5月には、温水プールを備えたさいたま市記念総合体育館が竣工予定であり、市民のスポーツに対する意欲はますます高まってきています。

このような状況の中で、さいたま市においては「生涯スポーツの振興」を施策の中心に据えて、

  1. ①生涯スポーツ推進組織を有効に機能させること
  2. ②生涯スポーツ施設の整備を充実させること
  3. ③各種スポーツイベントを開催すること
  4. ④スポーツに関する研究を推進すること

の4つを主要な柱として、スポーツ振興行政を展開しています。

さいたま市体育協会としましては、さいたま市が推進する生涯スポーツ振興の一翼を担うとともに、市民が生涯にわたって豊かなスポーツライフを送ることができるように、市民に対し、スポーツ活動の場や参加の機会を提供する必要があります。そして、子供から大人まで、若年層から中高齢者まで生涯を通じて、自分の住む地域においてスポーツを実践していく受け皿として、生涯スポーツの普及、振興を積極的に推進する責務があります。

さいたま市体育協会は、次の事業を掲げ、その具体化を図ることとします。

  1. (1)市民の健康及び体力づくりを推進する各種の自主事業を開催する。
  2. (2)各種のスポーツ研修会及び講習会を実施し、体育・スポーツ指導者の養成及び資質向上に努める。
  3. (3)体育・スポーツ団体及びスポーツ少年団の育成を通して、青少年の心身の健全育成の促進に努める。
  4. (4)加盟団体の競技力向上に努める。
  5. (5)市民を対象とした各種大会及び講習会の実施並びに援助に努める。
  6. (6)体育・スポーツに関する調査研究及び情報発信に努める。
  7. (7)体育功労者及び優秀選手の表彰を行い、その功績と栄誉をたたえる。
  8. (8)自主事業を活発に推進するために、市内スポーツ施設の管理運営に関する事業を行う。

上記の事業を展開し、市民一人一人の多様なニーズに、的確かつ迅速に応えていくためには、さいたま市や関係スポーツ団体との連携は言うまでもなく、確固たる財産基盤を持つ財団法人の設立が不可欠であります。そして、事務局の充実を図り、スポーツに対する市民のニーズを集約することにより、一層きめ細かな事業展開が可能となります。さらに、市民の信頼を得るべく、自覚と責任を持って、事業運営の透明化と迅速化を図る必要があります。このように、さいたま市体育協会の任務と役割は極めて重要となってきます。

よって、さいたま市における体育・スポーツを振興し、市民の健康増進と体力向上を図り、もって明るい活力に満ちたさいたま市民の育成に寄与することを目的としてさいたま市の出資により財団法人さいたま市体育協会を設立しようとするものであります。

2 設立申請に至るまでの経過

平成13年5月に浦和、大宮、与野の三市が合併し、さいたま市が誕生しましたが、旧三市ではそれぞれ、社団法人さいたま市浦和体育協会、さいたま市大宮体育協会、さいたま市与野体育協会が活動していました。

浦和体育協会は、昭和22年に設立し、その後、昭和47年に社団法人となりました。「速・高・強」のスローガンのもとに40加盟団体を統括する組織として、各種スポーツ行事やスポーツ大会の開催等を通し、市民スポーツの振興に大きな役割を果たしてきました。大宮体育協会は大正14年に大宮町体育協会として発足、再編を経て昭和26年に設立されました。30加盟団体を擁し、市民スポーツの普及及び奨励、スポーツ団体の育成並びに各種大会の開催により市民スポーツの伸展に大きく貢献してきました。与野体育協会は昭和29年の設立以来、市民スポーツ・レクリエーションの発展に努め、豊かな市民生活の向上に大きな成果を挙げてきました。23加盟団体の充実を図りながら、競技スポーツ・生涯スポーツの振興のために諸施策を推進してきました。

このように、それぞれの体育協会は、その活動を通じて市民の健康増進と体力の向上に大きな役割を果たしてきました。しかしながら、三市の合併でさいたま市が誕生したことにより、さいたま市のスポーツの発展と市民に対するさらに充実した事業の推進を図るため、財団法人さいたま市体育協会の設立と三体育協会の統合が、各体育協会自身はもとより各方面から強く望まれるようになりました。こうして、平成13年6月にさいたま市体育協会連絡調整会議が発足し、その実現に向けて、真摯な協議を重ねてきました。

さいたま市は平成15年4月から政令指定都市に移行し、飛躍への第一歩を踏み出そうとしています。さいたま市体育協会は、政令指定都市に相応しい体育協会として、市民のニーズに応じた各種スポーツ教室やスポーツ大会等の事業を展開していきます。

ここに至り、財団法人さいたま市体育協会の設立を申請するものであります。

※上記は平成15年3月、財団法人記立申請時に県教育委員会に提出された書類です。